スタジオジブリと言えば、今月29日から公開予定の「ゲド戦記」が話題になっていますが、これより一足お先に、先日DVDで出た、「種山ヶ原の夜」を買ってみました。
種山ヶ原の夜 原作: 宮沢賢治 脚色・作画・演出: 男鹿和雄 ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント 2006-07-07 Amazonで詳しく見る |
30分弱の短い作品ですが、まず何よりも、登場人物たちの方言による会話が、絶品です。
ほぼ忠実に賢治の原作のとおりしゃべっているのに、文字で読むのでは私などにはわからないような微妙なニュアンス、歌うようなやさしい言葉の響きが、山で暮らす人たちの生活感と種山ヶ原の自然を浮かび上がらせてくれます。
画像は、男鹿和雄さんという画家・アニメーション美術監督による、「紙芝居映像」という趣向になっています。アニメのような動きはないのですが、ゆったりとした自然や人々の描写にはぴったりですね。
とりわけ、ジブリの「種山ヶ原の夜」公式ページ冒頭のフラッシュにも出てくる、種山の山頂から周囲を見渡したパノラマ映像は、本物の種山ヶ原に立った時の感覚を、まざまざと甦らせてくれるような素晴らしいものです。
それからこの劇には、賢治作の音楽もいろいろと出てきますね。「牧歌」「種山ヶ原」をはじめ、「応援歌」「剣舞の歌」も聴くことができます。「牧歌」を歌っているのは、アンサンブル・プラネタという女性ア・カペラユニットで、夢のような美しい声でした。
toyoda
こんにちは。toyodaです。紹介されたDVD是非購入しようと思います。
ところで、賢治の好きな作品でヘンデル作曲のラルゴがあると思います。佐藤泰平氏は、「ラルゴ」だからと言ってヘンデルの作品を指しているとは言えないと書かれていた記憶があります。私は「ラルゴ」といえばヘンデルを思います。この作品は、外国では、ヘンデルのオペラの名声と運命として2世紀以上聳えています。外国から輸入されるSPでは、レコード化されることはありえると思います。賢治は当然聞いていると思います。
ヘンデル作曲の「ラルゴ」ですが、最近の研究では、この作品はヘンデルのものではなく、ジョヴァンニ・ボノンチーニの作品であるといわれています。
ヘンデルの「ラルゴ」の旋律は本当に美しく、メロディの美しさ、ヘンデルのオペラ作曲家としての地位を彷彿させるものでしたが、ヘンデル作品ではないというのは、びっくりしました。
この作品は、木に恋してしまった東洋の君主がカストラートで歌う作品です。
賢治とは直接関係がありませんが、ヘンデル作ではないというのが意外な気持ちを持ちました。
hamagaki
toyoda 様、こんにちは。
はい、私もこの DVD は、お薦めだと思いますよ。
ところで、賢治の言う「ラルゴ」の正体については、私はこれまであまり深く考えることもなく、ドヴォルザーク「新世界より」の第二楽章(賢治の「種山ヶ原」)だとばかり思っていました。なるほど、「ラルゴ」と呼ぶとすれば、ヘンデルの方がはるかに知名度は高いですね。それに何と言っても、素晴らしいメロディーです。
当時からきっとSPレコードも出ていたはずと思いますが、少し検索してみたところでは、こちらのページに1910年頃の録音という外国盤が一つありました。歌声ではなく、「セロ」の編曲です。
それはそうと、「オンブラ・マイ・フ」という別名は知っていても、その歌詞の意味については、今回 toyoda 様のご指摘で初めて知りました。「木に恋する」とは、賢治のお話で言えば、まるで「土神ときつね」ですね。
zxc
Hello I have a question. How faithful is Taneyamagahara no Night anime adaptation is novel Kenji Miyazawa? Story and plot is the same? Thanks for help
hamagaki
zxc, thank you for visiting my website.
Studio Ghibli's anime "Taneyamagahara no Yoru" consists entirely of dialogue written by Kenji Miyazawa, except for the explanation at the beginning.
The story and plot are exactly the same.
Most of the words spoken by the characters are in the dialect of Iwate Prefecture, where Kenji Miyazawa lived.
They are difficult to hear and understand directly for people from other parts of Japan, but have a nostalgic and beautiful sound.
Please enjoy the wonderful world of Kenji Miyazawa!