スタジオジブリ「種山ヶ原の夜」

 スタジオジブリと言えば、今月29日から公開予定の「ゲド戦記」が話題になっていますが、これより一足お先に、先日DVDで出た、「種山ヶ原の夜」を買ってみました。

種山ヶ原の夜 種山ヶ原の夜
原作: 宮沢賢治
脚色・作画・演出: 男鹿和雄
ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント 2006-07-07
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 30分弱の短い作品ですが、まず何よりも、登場人物たちの方言による会話が、絶品です。
 ほぼ忠実に賢治の原作のとおりしゃべっているのに、文字で読むのでは私などにはわからないような微妙なニュアンス、歌うようなやさしい言葉の響きが、山で暮らす人たちの生活感と種山ヶ原の自然を浮かび上がらせてくれます。

 画像は、男鹿和雄さんという画家・アニメーション美術監督による、「紙芝居映像」という趣向になっています。アニメのような動きはないのですが、ゆったりとした自然や人々の描写にはぴったりですね。
 とりわけ、ジブリの「種山ヶ原の夜」公式ページ冒頭のフラッシュにも出てくる、種山の山頂から周囲を見渡したパノラマ映像は、本物の種山ヶ原に立った時の感覚を、まざまざと甦らせてくれるような素晴らしいものです。

 それからこの劇には、賢治作の音楽もいろいろと出てきますね。「牧歌」「種山ヶ原」をはじめ、「応援歌」「剣舞の歌」も聴くことができます。「牧歌」を歌っているのは、アンサンブル・プラネタという女性ア・カペラユニットで、夢のような美しい声でした。