イギリス海岸の出現

 昨日から賢治学会の夏季セミナーで花巻に行っていましたが、やはりイーハトーブの地でも、「暑いですねぇ……」がお決まりの挨拶になっていました。
 花巻市や北上市に農業用水を供給する豊沢ダムは、最近の高温と少雨の影響で貯水量が平年の半分程度の30%まで下がり、7月23日から農業用水の供給を停止するなど、渇水対策を行うとのことです。

岩手 高温と少雨で豊沢ダム渇水対策 農業用水の取水制限へ(NHK 岩手 NES WEB)

 賢治の時代ならば、「ヒデリノトキハナミダヲナガシ」となる事態でしょう。現代でも、農家の方々にとっては死活問題でしょうし、消費者にとってもまた米や野菜の価格高騰が心配されます。

 しかしこの渇水のおかげで、花巻市小舟渡の「イギリス海岸」は、久しぶりに河床の泥岩層が広く露出することになりました。

イギリス海岸出現 晴れの日が続き、水位が下がったため 岩手・花巻市(IBC岩手放送)

 それで今朝、花巻を離れる前に、イギリス海岸を見に行ってきました。

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2025年7月27日「イギリス海岸」

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2025年7月27日 北上川・瀬川合流部

 昭和の頃までの写真を見ると、渇水時には川岸の部分に広く泥岩層が露出していて、賢治が「海岸」と呼んだ命名がしっくりくるのですが、最近は上写真のように泥岩層は川の中央部に中洲のように見えるだけで、これではまるで「イギリス中洲」です。

 イギリス海岸が露出しにくくなった原因としては、上流のダム設置、瀬川の流路変更などがあると聞きますが、河岸部の河床の浸食なども起こっているのでしょうか……。