比叡山延暦寺賢治忌法要

 今日9月21日は、宮沢賢治忌です。
 例年、この日が秋分の日を含めた連休に当たっている場合は、花巻の「賢治祭」や関連行事に参加するために、岩手県方面に出かけますし、残念ながら平日であれば、仕事のためにどこにも行くことはできません。
 一方、時々ある「9月21日は休日だが、連休ではない」という年には、日帰りで行ける比叡山延暦寺の「賢治忌法要」に、参加させていただきます。
 今年はちょうどそういう年で、さらに記念講演が信時哲郎さんだったので、朝から比叡山に行って来ました。

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賢治忌法要祭壇:後方にかすかに見えるのは賢治の「根本中堂」歌碑

 11時前に根本中堂の前に着くと、すでに法要参列者の方がたくさん集まっておられました。

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 延暦寺のお坊様たちの読経では、法華経如来寿量品などが唱えられ、お経の所々で「散華」が行われました。下写真がちょうど「散華」の瞬間で、蓮の花弁をかたどった紙片が、僧たちの手から舞い落ちます。

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 読経の後、参列者は順番に献香を行いました。

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 続いて、賢治も入っていた「自啓寮」の寮歌「天翔り行く」の斉唱に続き、比叡山高校1年の生徒さんによる「雨ニモマケズ」の朗読です。

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 そして、全員で「花巻農学校精神歌」を合唱した後、読経で導師を務められた横山照泰大僧正のご挨拶があって、法要は終わりました。

 昼食は比叡山会館で、精進料理をいただきます。

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 このお料理が、いつも絶品の味付けなのです……。

 そして午後は、延暦寺会館内のホールで、信時哲郎さんによる講演「宮沢賢治と中尊寺 「中尊寺〔二〕」(文語詩未定稿)を中心に」です。

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 宮沢賢治の作品の中ではマイナーな分野である文語詩の魅力について、わかりやすく、そして熱く、語って下さいました。
 天台宗総本山の延暦寺という会場にちなんで、天台宗の東北大本山である中尊寺を題材とした「中尊寺〔二〕」に関する講演でしたが、この作品に出てくる「そらごと」とはいったい何のことなのかという謎について、興味深い切り口のお話がありました。

 信時さんは、明日は朝から花巻で、宮沢賢治賞・イーハトーブ賞の贈呈式に、宮沢賢治学会の賞選考委員長として出席されます。
 大変なスケジュールとお役目ですが、ご無事に花巻に着かれるよう、お祈り申し上げます。