12月7日の「賢治万象―こころの森の交歓会」

 年若き私のメール友達が、来月7日に花巻のイーハトーブ館で開催するイベントの案内を送ってくれました。
 「賢治万象―こころの森の交歓会―」と題した催しで、私のメル友である岡部和保さんがピアノを弾き、それに加えて鹿踊りの演舞や、「早池峰賢治の会」会長の浅沼利一郎さんの講演も行われます。

 下に、そのチラシを貼っておきます。

「賢治万象」チラシ表

「賢治万象」チラシ裏

 ピアノ演奏をされる岡部和保さんは、横浜在住の高校生ですが、小学校6年生の時に「卒業論文」として、「宮澤賢治と薔薇」、「薔薇輝石」について調査をされ、その折りに私のサイトの「賢治が愛したバラ(1)(6)」などを参照していただいたご縁で、メールのやりとりが始まりました。
 岡部さんはその論文執筆のために、賢治が薔薇を注文した「横浜植木株式会社」や、同社の昔の資料が保存されている「横浜開港資料館」に出向き、また「横浜ばら会」の人からはバラに関する専門的知識の教示を受け、さらにはるばる岩手まで足を延ばして「花巻ばら会」の方々に当時の話を聞いて、その案内で佐藤隆房氏の旧宅も訪問するという、圧倒的な調査活動をされました。私もそのお話をうかがった時には、小学生とは思えないその綿密な調べっぷりには驚嘆したおぼえがあります。そうそう、薔薇輝石については、一般には野田玉川産のものがよく知られていますが、賢治の書簡には大槌産のものが出てくるということで、大槌町役場の職員にも情報を提供してもらったとのことでした。

 その後、岡部さんは中学生になってからも賢治のバラについて新たな情報を発見するたびにメールを下さり、私との間のやりとりは続いていたのですが、このたびはもう高校生になって、上記のように賢治にゆかりの曲などを、花巻の地でピアノ演奏されるということです。

 このイベント全体の構成も、音楽や踊りや語りが有機的に組み合わされて、多面的な賢治の世界を象徴的に表現しているようで、とても面白いですね。
 いろいろな方が舞台に上られるようですが、私が岡部さんのお話を聴いていて以前から感じているのは、まだ年若い岡部さんがいろんな人たちと出会い、どんどん人とのつながりを作っていく、その「ネットワーク力」の素晴らしさです。きっと、今回の企画にも、そのような岡部さんの「出会い」の力が、大きく反映しているのだと思います。

 残念ながら、私はこの日に花巻に聴きに行くことはできないのですが、お近くの方、関心がおありの方は、12月7日にはぜひイーハトーブ館にご来聴下さい。

賢治万象―こころの森の交歓会

日時: 2013年12月7日(土) 13:00開演(12:30開場)
     入場無料
場所: 宮沢賢治イーハトーブ館 ホール
    (花巻市高松1-1-1)
出演: 岡部 和保
     春日流鍋倉鹿踊り保存会
     浅沼 利一郎