来たる7月26日(土)の13:30から、花巻市の宮沢賢治イーハトーブ館において、宮沢賢治学会イーハトーブセンター主催の夏季セミナー「賢治文学の奏でるうた─どこから来て、どこへ向かうのか─」が開催されます。
下記がその内容で、賢治学会のサイトではこちらのページに、案内が掲載されています。
- 開会の言葉
- 基調報告
「宮沢賢治と音楽─入出力の多様性、語りと歌の連続性─」
浜垣誠司 - 鼎談 ~作曲家は語る、音楽・文芸評論家は考える~
「《宮沢賢治と音楽》について思うこと」(仮)
吉川和夫(作曲家)× 萩京子(作曲家)× 小沼純一(音楽評論家、詩人) - ミニ・コンサート ~作曲家とともに~
「賢治はうたう、賢治をうたう」(仮)
合唱:桜台コーラス & 解説:吉川和夫、萩京子 - 質疑応答
- 閉会の言葉
ということで、私はここで「基調報告」をすることになり、しばらく前からその準備のために、YouTubeで義太夫節や正信偈の読誦を聞いたり、小泉文夫著『日本傳統音楽の研究1』を読んだりしながら、パワーポイントを作成しています。戦後まもなくに出たこの小泉文夫氏の本は、日本音楽研究に画期をもたらしたと言われるもので、私は今回初めて読んだのですが、新たな理論を打ち立てていくワクワク感がみなぎっていて、素晴らしいです。
セミナーの鼎談に萩京子さんが参加して下さって、同じ舞台に登壇できるというのも、個人的にはとても嬉しいことです。当サイトでも、萩さんが宮沢賢治の詩に作曲した作品を、「萩京子ソング集」というページで何曲かご紹介しています。
花巻の合唱団のミニ・コンサートも、楽しみですね。
それから、今回のセミナーのもう一つの目玉企画は、18時から行われる「懇親会」が、花巻名物のあの「マルカンビル大食堂」を貸し切りにして、開催されることです。
花巻市街を一望できるロケーションで、10段巻きの「ソフトクリーム」(右写真)や、「ナポリカツ」、「マルカンラーメン」などで親しまれてきたこのレトロな大食堂は、2016年のマルカンデパート閉店とともに、惜しまれつついったん営業を終了したのですが、翌2017年から上町家守舎が経営を引き継ぎ、今も元気に復活営業しています。
懇親会の参加希望者は、7月20日までにこちらのフォームから申込みが必要とのことですので、忘れずにお申込み下さい。会費は、宮沢賢治学会会員が2,000円、非会員が3,000円です。
夏季セミナーそのものは、参加無料で申込みも不要です。
この夏の昼下がり、花巻で宮沢賢治の音楽に親しんでみませんか?
最後のおまけに、萩京子さんの作品の中でもとりわけ私の好きな、「まなこをひらけば四月の風が」の Vocaloid 演奏版を載せておきます。
まなこをひらけば四月の風が
詩: 宮澤賢治 / 曲: 萩 京子
まなこをひらけば四月の風が
瑠璃のそらから崩れて来るし
もみぢは嫩いうすあかい芽を
窓いっぱいにひろげてゐる
ゆふべからの血はまだとまらず
みんなはわたくしをみつめてゐる
またなまぬるく湧くものを
吐くひとの誰ともしらず
あをあをとわたくしはねむる
いままたひたひを過ぎ行くものは
あの死火山のいたゞきの
清麗な一列の風だ
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