今日は、大阪狭山市立コミュニティセンターに、中野由貴さんによる講座「宮沢賢治と東北ごちそう散歩」を聴きに行ってきました。
大阪狭山市というのは、大阪府の南の方の内陸にある小さな市で、私は今回初めてその地を踏みました。基本的には大阪平野の中にある町なのですが、東は羽曳野丘陵、西は泉北丘陵という「山に挟まれて」いることから、この名前が付いているのだそうです。
今回の宮沢賢治講座は、全3回のシリーズで、今日はその第2回です。
- 第1回 9/19 宮沢賢治 入門編(講師:澤田 由紀子)
- 第2回 10/17 宮沢賢治と東北のごちそう散歩(講師:中野 由貴)
- 第3回 11/7 宮沢賢治は妹の死をどう乗り越えたのか(講師:浜垣 誠司)
中野由貴さんのお話は、いつもながら明るく楽しい語り口で、賢治の作品に出てくる様々な「おいしいものたち」を、作品背景とともに紹介して下さいました。
中でも、「〔ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記〕」に出てくる「藁のオムレツ」についてのお話によると、実際に飢饉の時の救荒食物として、江戸時代から「藁餅」というのがあったそうなのです。となると、先日も触れたようにこのお童話が東北地方の厳しい現実問題を背景にしていることを思えば、ネネムが食べていた不思議なメニューも、このような飢饉の際の哀史を反映したものだったのかもしれません。
これまではまったくイメージがつかめなかった謎の食べ物に、中野さんのおかげで少し実感が湧いてきました。
会場は、かなり大きな会議室に定員80名ということでしたが、たくさんの方が熱心に耳を傾けておられました。
そもそもこの「宮沢賢治講座 全3回」自体が、コミュニティセンターの利用者の方々へのアンケートによって、「宮沢賢治の話が聞きたい」という声が多かったから企画されたということで、花巻から離れたこんな関西の一地方にあっても、やっぱり賢治の人気は高いんだなということをあらためて実感します。
ということで、第3回の11月7日(日)は、僭越ながら私が「宮沢賢治は妹の死をどう乗り越えたのか~愛する人の死と喪の作業~」というタイトルでお話をさせていただきます。
定員は80名先着順で、参加費500円ということですが、住所に関係なく電話申込みは当日でも可ということですので、ご興味がおありの方は大阪狭山市立コミュニティセンター(072-366-0077)までお問い合わせ下さい。
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