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歌曲「花巻の四季」

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 またまたブログ更新が滞っていましたが、下記の楽譜とその演奏ファイルを作っているうちに時間がかかってしまいました。本日、やっと完成しました。

 下根子桜の羅須地人協会跡、現在は賢治詩碑が立っている広場の近くに、「桜地人館」という小さな展示館があります。賢治の晩年の主治医を務め、伝記『宮沢賢治 ―素顔のわが友―』の著者でもある佐藤隆房氏が開設した文学館・美術館で、宮澤賢治、高村光太郎、萬鉄五郎、船越保武の作品や遺品が展示されています。昔は、「佐藤郷志館」という名前でした。来館者もさほど多くはなく、いつも静かな雰囲気です。
 賢治詩碑を訪ねた後に、ここで一休みするのも、なかなかいいものです。

桜地人館

 この桜地人館の展示物の一つに、1936年(昭和11年)11月23日に行われた詩碑除幕式の模様を撮影した映像があります。ビデオデッキに繋がれたTVがあって、スイッチを入れると白黒の古い映像が見られるようになっているのです。
 昔の記録映画によくあるような、ちょっと早回しみたいなせかせかした動きで、宮澤政次郎、イチ、清六各氏が参集者に挨拶したりしている様子や、草野心平氏など式のために駆けつけた人々の姿もあり、この映像そのものも非常に貴重なものです。加えて、私にとってもう一つ印象的なのは、この映像のバックに流れている「花巻の四季」という歌です。
 これはピアノ伴奏つきの女声合唱なのですが、花巻を訪れる旅行者にとっては、これが何かとても心にしみるものがあるんですね。
 題名のとおり、花巻の春夏秋冬が取りあげられていて、春は「胡四王山」、夏は「豊沢川」、秋は「高村山荘」、冬は「賢治詩碑」がテーマとなっており、それぞれ賢治とのゆかりも感じさせます。

 今年の夏に桜地人館に行った折りに、私はこの歌を ICレコーダーに録音してきたので、先週からそれを楽譜に書きとって、さらにDTM作業によって合唱とピアノ伴奏を作成してみました。
 この歌が、他の場所で歌われているのを私は耳にしたことはありませんが、私としては、なぜ現代の花巻にこれはもっと広く歌い継がれていないのだろうかと、不思議になるくらい素敵な歌です。
 ぜひ、ご一聴ください。

     花巻の四季
                詞: 佐藤 進
                曲: 斎藤 明
一、若きふたりが 登りゆく
  胡四王山には かたくりの
  乱れ咲きたり 紫に
  あゝ 花巻 花巻 春浅し
胡四王山(と早池峰山)

二、風になびかせ 黒髪を
  そぞろ歩きし 豊沢の
  川原に河鹿 鳴ききそう
  あゝ 花巻 花巻 夏来たる
豊沢川の上流

三、高村山荘 訪う人の
  榛の木ばやし 過ぎゆけり
  山口山に 紅葉して
  あゝ 花巻 花巻 秋深し
高村山荘

四、賢治の詩碑に 雪積みて
  雉の足跡 そこここと
  北上川は 凍てつけり
  あゝ 花巻 花巻 冬迎う
雪の賢治詩碑

【使用音源】
 Soprano: 初音ミク(Miku Append: SOFT)+ Meiko
 Alto: 巡音ルカ + Meiko
 Piano: Garritan Steinway Virtual Concert Grand Basic