【ハームキヤ発:四月一日】世界各地から國と地域の代表が集まつて行はれてゐる「世界ベェスボオル古式大會(WBC)」に於いて、イーハトヴ代表のハームキヤ東高校が、快進撃を続けてゐる。
ハームキヤ東高校は、三月廿五日の一回戦、廿八日の二回戦を完封で勝ち上がつたが、昨三月三十一日の準々決勝では、藤原健次郎君や瀬川貞蔵君の活躍により、ポナペ島の南洋工業を五対三と逆転で破つて、見事に四強に進出した。
イーハトヴの代表が準決勝に進むのは、一九八四年のオーフナート高校以来二十五年ぶりの快挙であり、イーハトヴの人々は口々に「こんなことは実に稀れです」と語り合い喜んでゐる。みんなはまるめろやなにかまで出して歓迎した。
【決勝打を放つた右翼手ケンジロー君の談話】「ありがとうございます。いやーもう、苦しいところから始まつて、苦しさからつらさになつて、つらさを超えたら心の痛みになつた。最後は笑顔になれた。最後の打席では大仏が降りてきましたね。自分(の心の中)で実況しながら打席に入つた。一つ壁を越えた。」
【右写真】試合後、勝利の喜びを噛みしめつつ精神統一を図る藤原健次郎君(撮影:石コ賢さん)
つめくさ
速報をありがとうございます。
日本中が「世界ベェスボオル古式大會」ハームキヤ東高校快進撃の話題で持ち切りですね。
何より、「湧き立ち湧き立ち炎のやうにくだけてゐる/柳葉魚のいろの海なのだ」と古歌に歌われる、ムカーワの高校を緒戦で破ったのが大きな弾みとなったのではないでしょうか。
耕生
WBCと甲子園とイートーブが入り乱れての実況報告、楽しく拝見しました。
イーハトーブ勢チームが決勝に進むと、1969年のミサワ高校以来、40年ぶりのの快挙になりますね。かくなる上はイーハトーブ勢初の優勝旗獲得へ向けて快進撃を期待したいものです。
hamagaki
つめくさ様、耕生様
他愛もないエイプリルフール・ネタにお付き合いいただいて、恐縮です。
それにしても、今日も勝ちましたね。すごい、の一言しかありません。
ここまで来たら、本当に「一とうしやう、白金メタル」をイーハトヴに持って帰ってもらいたいものです。
(そう言えば、確かに賢治が「湧き立ち湧き立ち炎のやうにくだけてゐる…海」を眺めたのも、ムカーワから遠くない浜辺でしたね。>つめくさ様)
かぐら川
賢治ファンには「花巻」という地名はなじみ深いものですが、知名度的には必ずしも高くない街だと思うのですが、毎日「花巻」の文字が新聞に躍ってなにか面映ゆい気がしました。
もう一つ驚きの話題は、PHP文庫に「銀河鉄道の夜・風の又三郎・セロ弾きのゴーシュ」が出現したことですね。大きな読みやすい文字が、特徴ですが澤口たまみさんの平明な解説もけっこう問題提起的ですね。
hamagaki
かぐら川様、いつもありがとうございます。
決勝戦は、まさにわずかの差で涙をのみましたが、本当に爽やかな旋風を巻き起こしてくれました。また、「夏」の活躍を期待したいと思います。
ところで、花巻東高校の校舎は、花巻の中心部から「北西」の方向にあるのに、なぜ「東」高校なのだろうと不思議に思っていたのですが、その前身の富士短期大学付属花巻高校と谷村学院高校が合併した際、花巻市城内にあった旧谷村学院高校の校舎(現在の新興製作所の西側)が「本校舎」とされ、「花巻東高校」という名称になったということのようです。
それでも、花巻市の「城内」というと、花巻の「東」というよりまさに中心部なのですが、戦前は、その校舎のあたりから現在は新興製作所がある場所が、「東公園」になっていたということで、これが「東高校」と名づけられた由縁なのかと思ったりしました。
「西公園」は、賢治の作品とも縁が深いのですが、これに対する「東公園」もあったわけです。
あと、PHP文庫のこと、ご教示ありがとうございました。澤口たまみさんの「解説」、こんど本屋で立ち読みしてみます。