普代村へ(3)

 昨夜は、コンサート終了後ひきつづき同じ場所で行われた打ち上げ会で、「コーラスライオット風」と「北声会」の皆さんとともに、歌ったりして楽しい時間を過ごしました。妻と一緒に来ていた私は、会の終わりに花束までいただき、宿まで車で送って下さった金子さんに、「結婚式みたい」と冷やかされました。
 部屋で荷物を下ろしてからも、岩手日報の記者の方から取材の電話があったりしましたが、夜は比較的早く眠ることができました。

国民宿舎「くろさき荘」より 今朝は、窓から幻想的な海の景色を見た後、朝食をとって、あたりをしばらく散歩しました。
 「北緯40度のシンボル塔」や、黒埼灯台、アンモ浦展望台などを見て、チェックアウトをするとまずお隣の野田村にある「マリンローズパーク野田玉川」に向かいます。

 「マリンローズ」というのは、野田玉川鉱山から産出するバラ輝石に対して、鉱山権を取得した地元の会社が名づけた商品名です。
 賢治の時代にはこのような名前はありませんでしたが、「敗れし少年の歌へる」の四連めに「よきロダイトのさまなして・・・」として登場する「ロダイト」とは、このバラ輝石の学名「ロードナイト(Rhodonite)」のことと思われます。文語詩への改作前の「暁穹への嫉妬」においては、「あけがたのそら」が「薔薇輝石や雪のエッセンスを集めて・・・」と描写されていますし、地質学者賢治としては、この鉱石がこの地区の特産であることを、当然知っていたはずだからです。
 上写真のように今朝の空も薄い赤みを帯びて神秘的で、これをバラ輝石に喩えたくなる賢治の気持ちはよくわかります。
 「マリンローズパーク」では、今回の「敗れし少年の歌へる」の記念にと、小さなバラ輝石の付いた指輪を妻に買い、いろいろと思い出の詰まった三陸を後にしました。

マルカンデパート「ソフトクリーム」 久慈から二戸まではJRバス、二戸から花巻までは新幹線と在来線で戻ってくると、マルカンデパートの6階展望食堂でソフトクリームを食べました。このソフトクリームは、花巻在住の人にとっては名物の一つのようですが、クリームがあまりにも高く盛られているためにそのままかぶりついて食べることは困難で、割り箸で食べていくのが通例になっています。左の写真で、下のコーンの部分はもちろん普通の大きさですが、これとクリーム部分のボリュームを比べてみて下さい。これが「大盛り」でも何でもなくて、140円で「ソフトクリーム」の食券を買えば運ばれてくるのです。
 食べてみると、たんに大きいだけでなくて味もなかなかよく、甘さはやや控えめですので、食後に二人で食べるにはちょうどよい感じでした。

 あと賢治詩碑とイギリス海岸にちょっと立ち寄り、午後7時に花巻空港を飛び立つと、8時半に伊丹に、10時前に京都に着きました。途中、少し「万両」に寄ってから家に帰りました。