敗れし少年の歌へる

   

   ひかりわななくあけぞらに

   清麗サフィアのさまなして

   きみにたぐへるかの惑星(ほし)

   いま融け行くぞかなしけれ

   

   雪をかぶれるびゃくしんや

   百の海岬いま明けて

   あをうなばらは万葉の

   古きしらべにひかれるを

   

   夜はあやしき積雲の

   なかより生れてかの星ぞ

   さながらきみのことばもて

   われをこととひ燃えけるを

   

   よきロダイトのさまなして

   ひかりわなゝくかのそらに

   溶け行くとしてひるがへる

   きみが星こそかなしけれ

 

 


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