「石碑の部屋」に、「農民芸術概論綱要」墓碑をアップしました。
私が、「石碑の部屋」に掲載している全国各地の賢治関連文学碑を巡るにあたって、ページがすり切れるほどにお世話になってきたのが、吉田精美編著『新訂/全国編 宮沢賢治の碑』という本(右写真)でした。
賢治の「世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない」という言葉を刻んだ上の碑は、その吉田精美さんの墓碑です。全国にある賢治の碑を綿密に調査して、素晴らしい写真によってたくさんの人に伝えて下さった吉田さんに、まさにふさわしいモニュメントだと思います。
ところで、上の吉田さんの著書の表紙になっている平塚市の「農民芸術概論綱要」碑と、この吉田さんの墓碑とは、円い形が共通している上に、同じ碑文でテキストの改行の位置も全く同じなんですね。
吉田さんがご自身の墓碑を考えるにあたって、この平塚市の碑を意識されたのかどうかはわかりませんが、少なくともこの「農民芸術概論綱要」の一節は、吉田さんにとってとりわけ大切な賢治の言葉だったのだろうと思います。
私は今年のお盆に、一関市千厩町の山あいにある洞雲寺というお寺に行って、吉田さんのお墓にお参りし、これまでのご恩のお礼を申し上げてきました。
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