ちょうど82年前の今日、賢治が手帳に「〔雨ニモマケズ〕」を書き付けたという縁のある日に、渡辺えりさんの率いる「オフィス3○○」の公演『天使猫―宮澤賢治の生き方―』を見てきました。東日本大震災を受けて、渡辺さんが2011年に書き下ろしたという作品を、やはり震災に遭った西宮市にある兵庫県立芸術文化センターで体験するという、これもめぐり合わせ。
トシを演じた大和田美帆さんは、昨年11月にやはりこの兵庫県立芸術文化センターで、井上ひさし『イーハトーボの劇列車』でトシを演じておられましたので、ちょうど1年ぶりの再会です。
全篇を堪能して、やはり今さらながら、宮澤賢治という人の稀有な「生き方」に対して胸が詰まるような思いがこみあげてくるとともに、作中にたくさん散りばめられた賢治の「言葉」の力を、ひしひしと感じました。
渡辺えりさんの、賢治に対する深い造詣と共感とに裏打ちされたドラマでした。
今後の公演予定は、下記のようになっています。もしも時間とお席がありましたら、足を運んでみられてはいかがでしょうか。
11月 5日(水)19時 金沢市 北國新聞赤羽ホール
11月 8日(土)14時 山口市 山口情報芸術センター スタジオA
11月 9日(日)14時 同上
11月11日(火)19時 宮崎県三股町 三股町立文化会館
11月24日(月)18時 愛知県長久手市 文化の家 森のホール
11月27日(木)19時 福島県南相馬市 市民文化会館
11月28日(金)19時 仙台市 日立システムズホール仙台
11月30日(日)13時 山形市 シベールアリーナ
17時 同上
11月1日には石巻市に特設された屋外テントで公演されたということですが、11月27日のトシの命日には福島県の南相馬市、そして30日の千秋楽は、渡辺えりさんの出身地である山形公演で打ち上げなんですね。
会場で販売していたパンフレットには、まだ来日して間もないロジャー・パルバースさんが、1971年に比叡山延暦寺の賢治歌碑前で、宮澤清六さんや賢治研究者の堀尾青史さん、歌碑建立の中心となった延暦寺長?の葉上照澄さんらと一緒に撮影した記念写真が「世界初公開」として載せられていて、これも個人的には嬉しかったです。
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