昨年12月2日に行った「第4回イーハトーブ・プロジェクトin京都ー歌でつづる宮沢賢治の世界」においてソプラノの大神田頼子さんは、作曲家の青島広志氏の編曲による賢治歌曲も、何曲か歌って下さいました。
実は私は、青島広志氏編曲による賢治歌曲集の楽譜『ポランの広場』を1999年から持っていて、このサイトに最初に「歌曲の部屋」を作る際には、いろいろMIDIに打ち込んだりしてDTMの勉強をしていました。その歌を実演で聴いたのは今回が初めてだったのですが、何かとても懐かしい感じがしました。
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その懐かしさに惹かれて、年末頃から再び青島広志氏の編曲による賢治歌曲のDTM演奏を、作ってみていました。
それでとりあえずできたのが、下記の「星めぐりの歌」と「剣舞の歌」です。
青島氏による「星めぐりの歌」は、可愛らしく素朴な小品です。もともとこの曲は2拍子ですが、多くの人がこの歌を唄う時とは強拍・弱拍が逆になっていて、それがまた心地よい感じもします。
原曲はピアノ伴奏ですが、ここではハープの音色にしてみました。
あかいめだまの さそり
ひろげた鷲の つばさ
あをいめだまの 小いぬ、
ひかりのへびの とぐろ。
オリオンは高く うたひ
つゆとしもとを おとす、
アンドロメダの くもは
さかなのくちの かたち。
大ぐまのあしを きたに
五つのばした ところ。
小熊のひたいの うへは
そらのめぐりの めあて。
一方、青島氏による「剣舞の歌」は、勇壮な激しい音楽になっています。この前奏を聴くと、ハチャトゥリアンのバレー音楽「ガイーヌ」の中の有名な一曲「剣の舞い」を連想しますが、実際に譜面を見比べると、青島氏によるピアノ伴奏の左手は、「剣の舞い」におけるハープの動きと同一の音型になっていて、この編曲がハチャトゥリアンにインスパイアされたものであることが、はっきりとわかります。
そこで今回は、青島氏によるピアノ伴奏に、ハチャトゥリアンのスコアに倣って簡易オーケストレーションを施し、オーケストラ伴奏による演奏を作ってみました。パーカッションではシロフォンとティンパニ、スネアドラム、あとトロンボーンのポルタメントや高音の木管が活躍します。
まあ、余興のようなものと思ってお聴きいただければ幸いです。
夜風とどろきひのきはみだれ
月は射そそぐ銀の矢並
打つも果てるも火花のいのち
太刀の軋りの消えぬひま
dah-dah-dah-dah-dah-sko-dah-dah
太刀は稲妻萱穂のさやぎ
獅子の星座に散る火の雨の
消えてあとない天のがはら
打つも果てるもひとつのいのち
dah-dah-dah-dah-dah-sko-dah-dah
KATSUDA
最近ボーカロイドの歌をよく聴くようになりました。
「星めぐりの歌」のミクの声は可愛いですね(笑)。
冨田さんの交響曲では「星めぐりの歌」は合唱で、この場合はそれが似合っていたと思いますが、ミクも「ケンタウル、露を降らせ~」と歌っていましたね。
このごろはボーカロイドも定着しているので、これまで発表された歌曲では、どの「歌手」を使ったのかも示していただいてもよいのではないかと思いました。
「種山ヶ原」はMEIKO?
hamagaki
KATSUDAさま、こんばんは。
私がVOCALOIDで賢治の歌曲を制作しはじめた2004年には、まだ英語の‘Miriam’という声しかなくてローマ字で歌わせたりしていたのですが、その後‘Meiko’、次いで2006年に‘Kaito’が出て、日本語で自然に歌わせることができるようになりました。
しかし、この頃はまだ現在のように多くの人がVOCALOIDを使っているわけではなく、何と言っても2007年の‘初音ミク’の登場によって、一気にポピュラーなものになった感があります。
その後もいろんな声が発売されていますが、当サイトでは‘巡音ルカ’や‘Mew’も賢治歌曲に使用しています。
今回のご提案を受けて、どの歌手を使用しているかということを、「歌曲の部屋」の各ページに掲載するようにしてみました。
「種山ヶ原」は、ご指摘のとおり‘MEIKO’です。(^_^)
KATSUDA
どうもありがとうございました。
Miriamからお使いとは、最古参Pですね(^^)