「奥州宇宙遊学館」オープンへ

 2005年12月に「「水沢緯度観測所」保存へ」という記事でご紹介したように、宮澤賢治にもゆかりのある国立天文台水沢観測所旧本館は、一時は老朽化や維持困難のために取り壊しが決まっていましたが、由緒ある建物を惜しむ多くの人々の声が市当局を動かし、一転して保存の方針が決まった、という経緯がありました。
 このたび、その保存された「旧水沢緯度観測所」が、「奥州宇宙遊学館」という名前で今月21日から一般向けにオープンすることになったということです。

 このような活動は、いったんは話題性を集めて盛り上がったとしても、その後の予算確保や施設内容の企画立案など、実現へ向けた地道な作業は本当に大変なものだっただろうと推察しますが、「旧緯度観測所の保存・活用を考える会」や、「NPO法人イーハトーブ宇宙実践センター」などのご努力に、心から敬意を表したいと思います。
 新聞記事に、「全国の賢治ファンの後押しもあった」と書いていただいているのも、嬉しいことですね。

 開館は午前9時から午後5時まで、火曜日が休館で、入館料は大人200円、高校生以下100円ということです。来月の連休に行ってみたい所が、また一つ増えてしまいました。

 ご参考までに、賢治がこの建物を1924年3月25日に訪ねた時の作品草稿は、「春と修羅 第二集」の「晴天恣意(水沢緯度観測所にて)」(下書稿(二))です。