岩根橋発電所跡・補遺

 先日の「岩根橋発電所跡」のエントリだけでは、周辺の地理がいまひとつわかりにくいと思いますので、地図なども入れて補足しておきます。

 まず下の地図は、3年前に「岩根橋発電所跡」の場所について私が宮守村(当時)の村役場にメールで問い合わせをしたところ、「宮守村総務部総務課」から送って下さった地図です。

宮守村略図

 「岩根橋発電所跡」と「カーバイド工場跡」に、赤枠で印を付けて下さっています。現地へのアクセスに関しては、お返事のメールには次のように書かれていました。

 当時は、岩根橋地区から発電所までつり橋が架かっていたそうですが現在はなく、つり橋の跡だけが残っています。現地に行くには、川沿いを歩いていくしか方法がないのですが、道らしい道もなく危険であることから、近くに行くことはまず不可能です。
 冬になれば木の葉が落ち、対岸の岩根橋地区から肉眼で発電所跡の一部を確認することはできます。

 次に下記は、今回の探訪をもとに2万5千分の1の地図に、場所を書き込んでみたものです。釜石線の岩根橋駅を降りてからの経路を、赤い線で示してあります。

岩根橋発電所跡周辺図

 猿ヶ石川の北側は、きちんとした道がついているのですが、右端の橋で南岸に渡ってからは、道のないところを進んでいくことになります。

 また、カーバイド工場跡に関しては、宮守村総務課の方のメールには、次のように書かれていました。

 カーバイド工場跡については、JR釜石線「岩根橋駅」のすぐ下あたりが当時の工場跡です。
 花巻方面から、列車で来られるのであれば、たぶん岩根橋駅に止まる寸前、進行方向右側に煉瓦作りの建物(だいぶ崩れている)を見ることができると思います。それが、カーバイド工場の一部と言われています。現場はヨシなどが生い茂り、とても建物に近づいて見るようなことはできません。

 下の写真は、3年前の夏に、私がこのあたりを訪ねた時に写した、その「煉瓦作りの建物」です。下の道から撮ったものです。

カーバイド工場跡

 これが、カーバイド工場の一部の跡ではないかということですが、やはり近くまで行くのは困難でした。

大瀧明神 あと、北岸側の吊り橋の橋脚跡のたもとには、右写真のような「大瀧明神」という神さまを祀った小さな祠がありました。
 名前からして「滝の神様」なのだと思いますが、この北岸側にはどこにも「滝」は見当たりません。

 そこで私が勝手に推測するには、岩根橋発電所が建設される以前には、対岸である南岸には「滝」が存在していて、それをこの場所からちょうど拝むことができるようになっていたのではないでしょうか。
 発電所は、その「大滝」で流れ落ちる水流も利用する形で造成され、その結果、滝そのものは消滅してしまったけれども、「大瀧明神」だけがここに残ったのではないか、などと空想します。

 最後に、下の写真は、現地にあった「岩根橋發電所記念碑」の上部です。

岩根橋發電所記念碑