以前にこのブログでもご紹介した、賢治の作品を題材とした「児玉房子ガラス絵展」が、
今日から京都の思文閣美術館で始まっています。
これから行って見てきますね・・・。
あいにくの雨でしたが、左京区百万遍の「思文閣美術館」で今日から開かれている 「児玉房子ガラス絵展」を見てきました。
1時すぎに会場について、2時からの講演会(定員120名)に人数の余裕がありそうなのを確認すると、思文閣会館地下の
「チャーリーブラウン」で、
「チキンと薬菜のスープカレー(激辛)」を食べて、2時ぎりぎりに会場に戻りました。
講演会場はかなりいっぱいになっていて、京都だけでなくて全国各地からたくさんの方が見に来られているようです。
ほぼ定刻に、作者の児玉房子さんが登壇され、児玉さんとガラス絵の出会い、
どうして東京から遠野に移り住むことになったのか、遠野の山あいでの農作業と作品制作の毎日などについて、ユーモアにあふれ、
しかし強い芯のある生き方を感じさせるお話をされました。
背景のガラス絵は、遠野の民話に出てくる「おしらさま」を題材とした作品です。
次に、児玉さんのご友人という松本忍さんが、歌の解説や会場参加者へのレッスン付きで、賢治の歌曲を唄われました。
取り上げられたのは、「風の又三郎(映画主題歌)」、「牧歌」、「剣舞の歌」、「星めぐりの歌」、「ポランの広場」、「精神歌」の6曲です。
松本さんは、千葉県で開かれた児玉さんの個展で知り合われて、その後全国各地で児玉さんが展覧会をされるたびに「追っかけ」
をしているうちに、どうせなら出し物も一緒に、ということで、会場で歌うようになられたとのことです。
今回が10回目のコラボレーションだそうです。
休憩の後、遠野の語り部の新田安子さんによる「遠野昔ばなし」があったのですが、私たちは時間の関係で、
あとは小さな美術館に飾られた児玉さんのガラス絵作品を見てまわりました。
今回、「草の根出版会」から児玉さんが出されたガラス絵の絵本シリーズは、今のところ「祭りの晩」「虔十公園林」「ひのきとひなげし」
「狼森と笊森、盗森」の4冊なのですが、それぞれの原画に加え、「銀河鉄道の夜」「風の又三郎」など他の童話、「薤露青」「
〔はつれて軋る手袋と〕」など多くの詩作品、そして「農民芸術概論」なども絵にして並べられていました。絵本でも素晴らしいのですが、
実物を見ると、印刷されたものとはまた違って、ガラス絵独特の透明感がキラキラするようでした。
会期は6月26日までで、月曜が休館です。この間に京都に来られる賢治ファンの方には、お勧めです。
なお、下の「銀河鉄道の夜」の一場面は、通常のガラス板にはおさまらないためにガラス板2枚を使用しており、
幅はゆうに1mを越えるような大作です。近くで見ると、じつに美しい色彩に細かく細かく彩られ、
油絵とも版画とも違った、不思議な輝きです。
下の画像は、会場で販売していた絵葉書をスキャンしたものですが、実物はほんとうに綺麗で圧倒されますよ。
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