花巻~大迫~平泉(3)

 今朝は起きてからゆっくりとすごし、天気もよかったので花巻温泉内の「バラ園」を見てから、花巻市街に戻りました。午前中は、 若葉町の花巻市図書館に行って、昨日見てきた山や神社について調べてみました。

 胡四王山に関しては、大陸から渡来したツングース系の「高志(こし)族」がこのあたりに住みついたことに由来するという「説」 が存在するのは、ネット検索などで私も一応知ってはいましたが、『花巻市史』や『花巻の歴史』など、 なかば公的な書籍においてもこれが有力な学説として紹介されているのには、やや驚きました。
 「越の国」というのは、古代には北陸だけでなく出羽地方も含む呼称でしたが、これらの地域には、現在も「古四王神社」とか、「高志王神社」 、「腰王神社」、「巨四王神社」などがいくつも分布しています。これらはいずれも、日本海を越えてやってきた渡来人が、 その祖先を祀ったことに由来しているのではないかというのです。

 神社の縁起などいくつかの資料をコピーさせてもらって、昼ごはんはマルカンデパート6階の展望大食堂でとることにしました。 いつ行ってもここは満員で、花巻の町の活力を感じさせてくれます。塔のように高くそびえるソフトクリームが名物ですが、 私たちは二人でも食べきれそうもないので、これはまだ注文したことはありません。お決まりのカレーライス380円は、 ジャガイモも入った昔ながらの安心できる味で、お勧めです。

 昼食後は、岩根橋の発電所跡とカーバイド工場跡が見たかったので、釜石線に乗って出かけてみました。 岩根橋の無人駅で降りてしばらく歩くと、カーバイド工場があったというところには今は民家や倉庫などが建っていました。 当時の面影を残す建物などは見あたりませんでしたが、山奥に不釣り合いなほどきちんと整地された周辺の様子は、 昔をしのばせなくもありません。賢治が「雪と蛇紋岩の山峡」 から急いで出てきたのはいったいどっちからだったのだろうと周囲をそぞろ歩いてみましたが、ちょっとわかりませんでした。
 発電所跡に関しては、事前に宮守村役場の方にお尋ねしたところ、当時の遺構は猿ヶ石川南岸に少し残っているものの、 現在は近くまで行ってみることもできず、冬になって木々の葉が落ちると、かろうじて対岸から望見することができる程度だということでした。 それでも何か見えないかと、北岸を何度も往復してみましたが、結局わかりませんでした。
 しかし岸辺に下りて触れることのできた猿ヶ石川の水は、さすがに冷たかったです。

 晩ごはんは、双葉町の居酒屋「早池峰」です。いつ来てもこの店は美味しくてボリュームもありますが、 今日は生姜醤油で食べるサンマのお刺身が、最高でした。