宮澤賢治ともいろいろ縁のあった詩人の草野心平は、生前に屋台の焼き鳥屋「いわき」をやったり、居酒屋「火の車」を開いたり、賢治とはまた趣の違った、破格の人生を歩んでいます。心平が東京で焼き鳥屋を開店するにあたっては、賢治が「電気ブドウ酒」という一種の合成酒の製法を手紙で伝授したというエピソードも残っています。
ところで少し前のことですが、去る3月10日にいわき市の「草野心平記念文学館」において、往年の「居酒屋火の車」を再現した「居酒屋「火の車」一日開店」という催しが開かれました。私も日帰りでのぞいて来たのですが、その際に同館の専門学芸員の小野浩さんが、居酒屋「火の車」のテーマソングとも言うべき「火の車の歌」を、当日の参加者に教えて下さいました。
素朴でちょっと破れかぶれで、哀愁も漂う感じなのですが、作曲は深井史郎というクラシックの作曲家で、草野心平の「蛙」や「小川の歌」による歌曲も作曲している人です。この人も、「火の車」の常連だったのでしょうか。
今日はこれを、VOCALOID の Kaito と Mew に歌わせてみました。
居酒屋「火の車」の場所は、文京区田町28番地で、間口は1間半で奥行きは2間という狭いスペースに、1尺2寸のカウンターとテーブル4つを置いたという店でした。詩人の宗左近は、「かつてこのように格調高く、また、メチャクチャな飲み屋があったろうか。このように度外れの酔客がいただろうか」と書き残しています。
匿名
たった今、お金本、と言ういうアンソロジー集を読み始めふと最後のページをめくりこの歌に出会いました。適当なテンポで、との指示に比例して終わり方も適当というかえ、これで、、?という感じでそれがまた変に心に染み入りました。上手いもんですね。今後の自分のテーマ曲になってしまいそうでちょっと心配です。でも何だかクセになりそうだなぁ、、、。こんな歌あったんだ、、聴けて良かったです。
hamagaki
コメントをありがとうございます。
ほんとうに、何か癖になってしまいそうな、不思議な歌ですね。
お役に立てましたら、私も幸甚です。
今後ともよろしくお願い申し上げます。