イベント無事終わりました

「第1回イーハトーブ・プロジェクトin京都」-満員御礼

 去る4月17日に、京都市の「アートステージ567」で行った震災救援チャリティ企画「第1回イーハトーブ・プロジェクトin京都」は、定員をオーバーするたくさんの方々のご参加を得て、盛会のうちに終了しました。
 定員が30名という小さな会場だったのですが、直前に新聞記事(下記)でも紹介されたおかげもあって、前日と当日は問い合わせの電話が相次ぐこととなりました。

【京都新聞】賢治の心で被災地支援 17日中京、詩の朗読や講演会

 会場には、本来は背もたれ付きの椅子を並べるところを、後ろ半分は丸椅子に入れ替えて通路にも席を設け、最終的に46名の方に入っていただくことになりました。たいへん窮屈な中でお聴きいただいた皆様には、申しわけありませんでした。
 それより何よりお詫びしなければならないのは、当日に電話でお問い合わせいただいたり、直接お越しいただいた20名ほどの方々には、すでに会場は立錐の余地もなかったために、涙をのんでお断りしてしまったことです。当方も断腸の思いでしたが、せっかくのお気持ちにお応えできなかったことを、どうかお許し下さい。

 午後2時から始まった「第一部」は、菅原哲夫さんの「岩手方言による賢治作品の朗読」と、いいだ・むつみ さんによる「フランスシター」などの演奏との共演でした。
 朗読していただいたのは、「雨ニモマケズ」「あすこの田はねえ」「水仙月の四日」「ざしき童子のはなし」「永訣の朝」「花巻農学校精神歌」。

 賢治の作品で、方言表記されている作品が岩手の言葉で読むのはこれまで私も聴く機会がありましたが、菅原さんは、作品の「地の文」など標準語表記されているところも、すべて岩手ネイティブのイントネーションで読まれます。
 そこから立ちのぼってきたのは、まるで賢治さん本人が自作を読んでくれているかのような、暖かい雰囲気でした。それは懐かしさにあふれるとともに新鮮で、私がこれを聴きながら会場でひそかに連想したのは、ちょっと妙なたとえですが、バッハやバロック時代の音楽を現代の楽器で演奏するのにずっと耳が慣れていたところへ、いわゆる「古楽器」を使い当時の奏法で、颯爽と演じる人が現れたというような感じでした。

 この朗読とコラボレーションをしていただいた いいだ・むつみ さんは、作品の流れと絶妙にマッチした演奏を、フランスシター、キーボード、各種打楽器などで繰り広げて下さいました。終了後に会場からも、「いったいどうやったらあそこまで朗読にぴたっと合うのか」との質問が出ていたのですが、いいださんの答えは、すべてが朗読に合わせながらの「即興演奏」だから、ということなのです。すごい。
 また朗読の合間には、「祈りの楽器」と呼ばれるフランスシターのソロ演奏によるオリジナル曲も聴かせて下さいましたが、まさに今のこの国の状況と一体となった、「鎮魂と祈り」の響きでした。

 「第二部」の、「災害と賢治」というお話に関しては、またこの場でご報告する予定ですが、今しばらくお待ち下さい。

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 このイベントでお寄せいただいた参加費、会場募金、それからチャリティCD「宮沢賢治歌曲全集」売り上げの合計は、15万2610円になりました。小さな会でしたが、ご協力いただいた皆様には、ここにあらためて厚く御礼を申し上げます。
 そして今日の昼間、「アートステージ567」の本田さんと私とで、京都新聞社会福祉事業団へ行って、この金額を義援金としてお渡ししてきました。これは、同事業団から東北・関東の被災6県の各災害対策本部に寄託されるものです。

 当日にご参加いただいた皆様には、あらためましてここに厚く御礼を申し上げます。ありがとうございました。
 またそのうちには、趣向を変えて「第2回」を行いたいと思いますので、その節はよろしくお願い申し上げます。

「第1回イーハトーブ・プロジェクトin京都」-第一部