NHK甲府放送局が制作し、11月9日および22日に放送された「我が友 宮沢賢治」という番組のビデオを、韮崎の向山さんが送って下さっていましたが、今日はあらためて動画をパソコンに取り込んで、ゆっくりと見ることができました。
演劇部に所属する現代の女子高校生が、たまたま賢治の作品を取り上げることをきっかけにして、地元出身の「保阪嘉内」という青年が賢治と深い親友であったことを知り、二人の友情について考えていく……というような構成です。
最初は、「保阪嘉内って誰?」というところから出発した高校生たちが、賢治と嘉内の友情とその結末について、現代の自分たちにも引き寄せつつ、真摯に語り合う姿が、初々しくも好感が持てました。
賢治が嘉内あての書簡に「南無妙法蓮華経」などと執拗に書いて、これでもかとしつこく信仰を迫るところなど、今の高校生が違和感を感じるのも無理もないと思いますが、「宮沢賢治が暑苦しすぎる」「空気が読めてない」「そう、KY(笑)」「KY、KY(笑)」という意見がある一方で、ここまで一途で熱いところに憧れる、という子もいました。
あと、何と言ってもこの番組の見どころは、主人公の子がちょっとしたけがをした時に、かの保阪庸夫さんが、医師として登場されるところです。
保阪庸夫さんの演技もなかなか味があって見事で、2回目の診察の後には、自分が嘉内の息子であることを明かし、主人公を生家に案内するのです。そして、嘉内の生きた時代背景や当時の若者の青春について、縁側で語ってきかせるのでした。
この、幾世代かを越えた対話の部分が、番組の白眉と感じられました。
素朴な番組ですが、賢治ファンとしてはぜひもう一度、こんどは全国放送をしてほしいところです。
雲
貴重な資料を、どうも、ありがとうございます。
全国放送になると、わたしも、観れるので、良いですね。
でも、地元の味わいが、ちゃんと、伝わるか、ちょっと、心配です。
世代を超えて、語り合えて、いいですね。
やはり、ちゃんと、話さないと。
媒体が変わっても。
なかなか、心とは、開きにくい部分もありますが。
熱くもなく、空気も読めず、苦労しております。
自分だけ。
周りからは、そう見えないらしいけど。
空気が読めないのも、天然、ということで、片付けられたり、未だに、家族からは、怒られたりです。(笑)
スモモ
今年後期高齢者に突入。NHKのテレビで山梨出身の保阪嘉内なる人物のことを初めて知り、調べてみると駒井と聞いて俄然興味を持ちました。それというのも母の実家が駒井にあり、同年代の子がいるので1950年代私が小学生の頃中央線を越え歩いてよく遊びに行ったものです。私の家は駒井とは七里ヶ岩を挟んで反対側に在りました。
七里ヶ岩の中腹をはしる汽車が銀河鉄道に見えるという話は聞いた事がありましたがこれ程賢治と繋がりがあったとは驚きでした。菅原千恵子氏の「宮沢賢治の青春」という本を読み、保阪嘉内についてもっと知りたいと探していたらこのサイトを見つけました。15年も前から話題になっていたとは不覚でした。ありがとうございました。今私は東京に住んでいます。保阪嘉内に関する企画がありましたら教えて頂きたく思います。
hamagaki
スモモ様、コメントをありがとうございます。
宮沢賢治と保阪嘉内の友情は、賢治ファンにとっては胸が切なくなるような、大切なテーマですね。
私も2007年に、山梨県立文学館の企画展「宮沢賢治 若き日の手紙 ―保阪嘉内宛七十三通」と、「賢治・嘉内と韮崎地域の文学散歩」という催しが開かれた際には、韮崎にお邪魔して、保阪家や「銀河鉄道展望公園」などを見学させていただきました。
「保阪嘉内に関する企画」ですが、毎年秋には韮崎市藤井町の「保阪嘉内 宮沢賢治 花園農村の碑」の前で、「碑前祭」が開かれます。
今年は、つい一昨日の11月5日(日)にあったばかりですね。
この碑前祭をはじめ、韮崎市において保阪嘉内や宮沢賢治に関する様々なイベントを、「アザリア記念会」が企画しておられます。
この「アザリア記念会」(年会費1000円)に入会されれば、地元のいろいろな関連情報やイベント案内を掲載した「会報」が定期的に送られてきますので、お薦めだと思います。
下記の韮崎市の広報にも、「アザリア記念会」のことが紹介されています。
https://www.city.nirasaki.lg.jp/material/files/group/4/d39056b3500918abc604b8f93811509.pdf
もしも「アザリア記念会」について、より詳しい情報をご希望でしたら、当サイト上部右端の「メール」から私にご連絡をいただけましたら、折り返しお返事をいたします。
今後とも、よろしくお願い申し上げます。