新美南吉の引用した「春と修羅」

 新美南吉の女学校教師時代の教え『おぢいさんのランプ』献辞子の方が、南吉から贈られた童話集『おぢいさんのランプ』(1942)を、愛知県半田市にある新美南吉記念館に寄贈したというニュースがありました。
 そしてその本の表紙見返しには、新美南吉からの献辞として、「春と修羅」からの一節、「まことのことばはうしなはれ/雲はちぎれてそらをとぶ」が、「…宮澤賢治の詩から」と添えて書きつけられていたということです(上写真)。

 若き日の賢治のこの痛切な詩句を、新美南吉も愛誦していたのでしょうか。

 彼も、「地方で教師を務め、若くして結核で亡くなった童話作家」で、安城高等女学校で担当した科目は、「英語」「国語」そして「農業」でした。