「月夜のでんしんばしら」碑

1.テキスト

 月夜のでんしんばしら

ドッテテドッテテ、ドッテテド、
 でんしんばしらのぐんたいは
 はやさせかいにたぐいなし

 ドッテテドッテテ、ドッテテド
  でんしんばしらのぐんたいは
  きりつせかいにならびなし
                   賢治

2.出典

「月夜のでんしんばしら」( 『注文の多い料理店』)より

3.建立/除幕日

1992年(平成4年)11月17日 建立/1993年(平成5年)5月30日 除幕

4.所在地

岩手県二戸郡一戸町奥中山 一戸町観光天文台前

5.碑について

 一戸町というのは、広い岩手県のなかでも北の端っこのほうで、青森県の七戸や八戸にまで至る「戸」のついた地名の、起点にあたります。

 この一戸町の山奥の、高森高原というところからさらに山道を登ったところに、「一戸町観光天文台」があり、石碑はその前に立っています。天気がよい日には、日中は太陽の黒点観測、夜は美しい星空の観測ができるということなのですが、あいにく私が訪ねた日は濃い霧がたちこめていて、まるで雲の中に入っていくような気分でした。
 小さな天文台ですが、別名「銀河牧場」と名づけられていて、ここから見渡す天空全体を、一望のもとに牧野に見立てる趣向です。

 碑のテキストは、童話集『注文の多い料理店』に収められている「月夜のでんしんばしら」からとられています。電信柱たちが列になって行進しながら歌う、不思議な軍歌の出だしの部分です。
 歌の演奏は、こちらにあります。


一戸町観光天文台