和歌山在住の渡辺宏さんが発行してこられた週刊のメールマガジン「Kenji Review」が、昨日をもって「休刊」となりました。
1999年2月の創刊以来19年あまり、総計1011号に達するという、宮沢賢治に関する電子メディア情報としてまさに老舗としての実績を重ねつつ、いつも瑞々しい感性にあふれた記事を、発信しつづけて下さいました。
渡辺宏さん、これまで本当にありがとうございました。
下記から、その1011号を読むことができます。
「宮沢賢治 Kenji Review 1011」
いつもは、賢治のおもに詩作品の様々な下書稿テキストの紹介と、その内容について理解を深めるためのインターネット上の情報へのリンクに加え、渡辺さんによる独自の切り口での解説やコメントが掲載されているのですが、今号は「休刊のお知らせ」のみになっています。
この「お知らせ」も、その深刻な内容にもかかわらず、いつもの軽妙な語り口がのぞいて、いかにも渡辺さんらしいですね。
思えば渡辺宏さんとは、同じ関西在住の賢治愛好家として、賢治学会や各種の催しでお会いした際にはいつも優しく声をかけていただき、私の妻も実はひそかに「ナベちゃん」と呼ぶ大ファンで、長い間一緒に親しく交流をさせていただいています。
Web技術に関しては専門家でいらっしゃるので、賢治学会の「電子メディア委員会」に一緒に所属させていただいた期間も長かったですし、そもそも学会のホームページは数年前までは、渡辺さんが厖大な作業を飄々とこなしつつ更新してこられたのでした。
これまで20年近く、毎週欠かさず魅力的な記事をまとめて発信しつづけるというのは、どれだけ粘り強いエネルギーを要するお仕事だったかと、本当に頭が下がる思いで一杯です。今回は緊急入院もされたということですので、どうかまずはゆっくりとご静養いただいて、またこれからも充実した有意義な日々を過ごされることを、心からお祈りしています。
そして今回の「休刊」は、「復活の可能性を残して」の措置とのことですので、いつかまた土曜日の朝に、ふとメールを開くと「Kenji Review」が届いていることを心ひそかに期して、お待ちし申し上げていたいと思います。
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