宮沢賢治研究会の「山猫通信」に同封されて、竹田恵子コンサート「光さんへ "喜寿の林で、あるいは賢治さんの波うちぎわ"」という演奏会のチラシが入っていたので、私はまるで「かねた一郎」のように感激しました。
竹田恵子さんは、「オペラシアターこんにゃく座」の代表も務められるなど中心的な歌手として活躍されていましたが、今回は作曲家・林光さんの喜寿を記念して、とりわけ宮澤賢治の詩に林光さんが作曲した歌を集めてコンサートを開催されます。
日時: 2009年1月22日(木)19時 (18時30分開場)
場所: 東京文化会館 小ホール
チケット取り扱い・問い合わせ先
ニッチモール(Tel.03-6801-7851 Fax.03-6801-7852)
プログラムは、下記のような感じです。
◎ 道
◎ 子供と線路
◎ 空・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・以上 林光/作曲 谷川俊太郎/詩◎ 歩行について
・くらかけの雪
・おきなぐさ
・岩手山
・さっきのつや消しの
・すきとほってゆれてゐるのは◎ 続・歩行について
・こんなあかるい穹窿と草を(「一本木野」より)
・空があんまり光れば(「オホーツク挽歌」より)
・犬
・きみにならびて野にたてば
・馬のひづめの痕が(「オホーツク挽歌」より)◎ 虹色の歌(歩行について・第三) ★新作初演!!
・お日さまのお通りみちを(「双子の星」より)
・あまのがはのにしのきしを(「双子の星」より)
・みそかの晩とついたちは(「北守将軍と三人兄弟の医者」より)
・山のうへから(「タネリはたしかにいちにち噛んでゐたやうだった」より)◎ その他・・・・・・・・・・・・・・・・・・・以上 林光/作曲 宮澤賢治/詩
チラシの裏に記された、竹田恵子さんによる案内には、次のように記されています。
「続・歩行について」は、光さんいわく、旅(Reise)とさすらい(Wanderung)がテーマ。オホーツクをさまよう賢治さんの詩は、とても痛々しい。「波できれいにみがかれたひときれの貝殻を口に含み、わたくしはしばらくねむらうとおもふ」ということばで、その終曲を終えています。
上記の終曲の最後は、「しばらく・・・・しばらく・・・・・」と繰り返しながら消えていくのですが、この箇所で林光氏は、マーラーの「交響曲 大地の歌」の終曲「告別」の、やはり終末部で、'ewig.....ewig.....' とリフレインされる部分を、パラフレーズしていたのでした。「しばらくねむらう」どころか、「永眠」さえしかねなかった、この時の賢治のあやうさを暗示するかのように・・・。
さらに、竹田恵子さんの文章は続きます。
あれから4年。今回もまた、私のコンサートのために、お忙しいなか、「歩行について・第三"虹色の歌"」を書いていただきました。
このタイトルは、「注文の多い料理店」の「序」がもとになっています。詩ではなく、童話から生まれた賢治さんのうたたち。バイオリンが加わり、これまでとは色合いを変えて、「かしわばやしの青い夕方、ぜひおいでんなさい」と、光さんも、喜寿の林で、楽しみに待っていてくれると思います。
ぜひ、おいでんなさい。
私も今日、前売券の注文をしました。(^_^)
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