まるめろ

  • 内容分類: 雑記

花巻産マルメロ

 花巻でお世話になっている方が、りんごと一緒に「まるめろ」を送ってくださいました。
 この一つの実を机の上に置いておくだけで、家じゅうが爽やかな甘い香りでいっぱいになります。

蛇紋山地に篝をかかげ
ひのきの髪をうちゆすり
まるめろの匂のそらに
あたらしい星雲を燃せ
   dah-dah-sko-dah-dah
                               (「原体剣舞連」)

栗の梢のモザイツクと
鉄葉細工(ぶりきざいく)のやなぎの葉
水のそばでは堅い黄いろなまるめろが
枝も裂けるまで実つてゐる
                               (「火薬と紙幣」)

けさはじつにはじめての凛々しい氷霧だつたから
みんなはまるめろやなにかまで出して歓迎した
                               (「イーハトブの氷霧」)

青じろいそばの花から
蜂が終りの蜜を運べば
まるめろの香とめぐるい風に
江釣子森の脚から半里
雨つぶ落ちる萓野の岸で
上鍋倉の年よりたちが
けさ集って待ってゐる
                               (「」)