賢治学会夏季特設セミナー(2)

 朝9時半頃にイーハトーブ館に着くと、シンポジウムの関係者の方々は、もうみんな来ておられました。それぞれ、 演壇のパソコンで自分のサイトを表示したりテストをしています。私も、このサイトを丸ごとコピーしておいたコンパクトフラッシュを、 あわててセットしました。

 10時から、今日のシンポジウム「インターネットのなかの宮沢賢治」が始まりました。これは、 賢治に関連したさまざまな特色を持ったインターネットサイトを作っている人4名を集めて、 作った動機や体験談などを話し合わせてみようという企画です。

 まず、「宮沢賢治ワンダーランド」 を作っておられる盛岡の高校の先生、安倍冨士男さんは、ホームページを作ったことが一つの契機となって、 さまざまな先進的な教育に取り組んでいくことになった経過を話されました。安倍さんの、パワフルな教育への情熱に、圧倒されました。
 次に、「イーハトーブの風の森」 を作っておられる花巻在住の一級建築士、小田島貢さんは、地元から新鮮で多彩な情報を発信する上での、 いろいろな工夫や苦労を話して下さいました。実は私も花巻に行く時には小田島さんのサイトを参照しますし、今日の午後に「花巻広域公園」 に行ったのも、このサイトからの情報でした。
 三番目に、「宮沢賢治Book」 を作っておられる神戸の川崎貴さんが、「神戸賢治の会」の活動や、同会の他の会員のホームページを紹介して下さいました。 いろいろユニークなサイトを作っている人がおられて面白そうで、京都の方にもこんな集まりがあったら、とうらやましく感じました。

 最後が私だったのですが、このサイトを作ろうとした動機とかコンセプトのようなことについて、話をしました。この時の話の内容は、 またそのうちにこのサイトにもアップしたいと思いますが、今はとりあえず、会場で説明の時に使った 「‘mental sketches hyperlinked’のイメージ図」だけ載せておきます。
               (下の写真は、休憩時間に壇上から写した会場風景)

 さて、話の中では昨日から引きつづき、花巻市への要望として、ぜひ賢治の草稿の画像データをインターネットで公開して、 誰でも利用できるようにしてほしいという意見が出ていました。するとディスカッションの時間に、花巻市の広報担当の方が発言されて、 まだ公式の発表ではないと断りながらも、公開できそうな見通しはあるということを報告して下さいましたので、 会場は歓迎の雰囲気に包まれました。私にとっては、これが今日の議論で最大の収穫でした。
 終わってみれば、あっと言う間の2時間でしたが、私としてはほんとにいい経験をさせていただきました。 あこがれの入沢康夫さんと直接お話ができたり、サイトへの激励の言葉を、いろんな方からかけていただきました。

 セミナーが終わった後は、「花巻広域公園」というところに行ってみました。前述のように、小田島さんのサイトによれば、ここに 「星めぐりの歌」などが刻まれた時計台があるということだったのです。
 とても暑い中の移動だったのですが、たどり着いてみると、期待どおりちゃんと歌詞や詩が刻まれた、かわいい時計台がありました。これは、 「石碑」とはちょっと違いますが、それでも「賢治のテキストが刻まれたモニュメント」ではありますので、そのうちに「石碑の部屋」 にアップしたいと思います。

 夜の飛行機に乗って、京都の家に帰り着いたのは10時半でした。