「雨ニモマケズ」詩碑
1.テキスト
雨ニモマケズ
宮沢賢治
雨ニモマケズ
風ニモマケズ
雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ
丈夫ナカラダヲモチ
慾ハナク
決シテ瞋ラズ
イツモシヅカニワラッテヰル
一日ニ玄米四合ト
味噌ト少シノ野菜ヲタベ
アラユルコトヲ
ジブンヲカンジョウニ入レズニ
ヨクミキキシワカリ
ソシテワスレズ
野原ノ松ノ林ノ蔭ノ
小サナ萓ブキノ小屋ニヰテ
東ニ病気ノコドモアレバ
行ッテ看病シテヤリ
西ニツカレタ母アレバ
行ッテソノ稲ノ束ヲ負ヒ
南ニ死ニサウナ人アレバ
行ッテコハガラナクテモイヽトイヒ
北ニケンクヮヤソショウガアレバ
ツマラナイカラヤメロトイヒ
ヒデリノトキハナミダヲナガシ
サムサノナツハオロオロアルキ
ミンナニデクノボートヨバレ
ホメラレモセズ
クニモサレズ
サウイフモノニ
ワタシハナリタイ
2.出典
「〔雨ニモマケズ〕」(「補遺詩篇 II」)
3.建立/除幕日
2018年(平成30年)10月30日 建立
4.所在地
神奈川県鎌倉市由比ガ浜4丁目4-11 山波言太郎総合文化財団 横
5.碑について
この「雨ニモマケズ」詩碑は、「山波言太郎総合文化財団/リラ自然音楽研究所」という立派な標識のあるビルの脇に建てられています。
ビル横の石碑は、左から順に「雨ニモマケズ碑」、「でくのぼう碑」、「不戦の塔碑」と三つがあって、これらの趣旨について、金属製の説明板も設置されています。
でくのぼう碑
「雨ニモマケズ」碑
不戦の塔碑
3つの碑は、山波言太郎(本名桑原啓善)(1921~2013)の遺志
により建立しました。でくのぼうの碑は、宮沢賢治「雨ニモマケズ」
のデクノボー(無私無償の愛と奉仕の人)に皆がなれば、地球は
愛の星に変わるとの悲願がこめられています。不戦の塔碑は、人
類が戦争をしない人間に進化することを形象化したものです。
日本古来の「自然界は生きもの、人は神から出て神に帰る」とい
う生命一元の自然生命観に立ち、すべてのいのちの幸福と世界の
恒久平和を願い建てられました。
平成30(2018)年10月30日建立
でくのぼう碑を建てる会 代表世話人 桑原瑠理子
※
「山波言太郎総合文化財団」のサイトによれば、山波言太郎氏(1921-2013, 本名桑原啓善)は、慶應大学経済学部在学中に、「心霊研究の迷信を叩こうとして心霊研究に入り、逆にその正しさを知ってスピリチュアリストになる。浅野和三郎氏が創立した「心霊科学研究会」、その後継者 脇長生氏の門で心霊研究30年。」ということです。
さらに還暦を過ぎてからは、「1982〜1984年、たった一人の平和運動(全国各地で自作詩朗読と講演)を行う。1985年「生命の樹」を創立してネオ・スピリチュアリズムを唱導し、でくのぼう革命を遂行。地球の恒久平和活動に入る。1998年「リラ自然音楽研究所」設立。すべての活動を集約し2012年「一般財団法人 山波言太郎総合文化財団」を設立。」ということです。
山波氏には、スピリチュアリズム関係の著書や訳書が数多くありますが、宮沢賢治にも傾倒し、『宮沢賢治の霊の世界―ほんとうの愛と幸福を探して』『宮沢賢治とでくのぼうの生き方―スピリチュアルな話』『変革の風と宮沢賢治』などの著作・講演録もあります。
とりわけ、「〔雨ニモマケズ〕」に描かれた「デクノボー」の精神に、強い共感を寄せておられたのでしょう。山波氏が創設した出版社は、「でくのぼう出版」といいます。
その遺志を引き継いで、2018年にこの「雨ニモマケズ」詩碑が建立されました。
山波言太郎総合文化財団
リラ自然音楽研究所