「雨ニモマケズ」詩碑

1.テキスト

   「雨ニモマケズ」

雨ニモマケズ
風ニモマケズ
雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ
丈夫ナカラダヲモチ
慾ハナク
決シテ瞋ラズ
イツモシヅカニワラッテヰル
一日ニ玄米四合ト
味噌ト少シノ野菜ヲタベ
アラユルコトヲ
ジブンヲカンジョウニ入レズニ
ヨクミキキシワカリ
ソシテワスレズ
野原ノ松ノ林ノ蔭ノ
小サナ萓ブキノ小屋ニヰテ
東ニ病気ノコドモアレバ
行ッテ看病シテヤリ
西ニツカレタ母アレバ
行ッテソノ稲ノ束ヲ負ヒ
南ニ死ニサウナ人アレバ
行ッテコハガラナクテモイヽトイヒ
北ニケンクヮヤソショウガアレバ
ツマラナイカラヤメロトイヒ
ヒデリノトキハナミダヲナガシ
サムサノナツハオロオロアルキ
ミンナニデクノボートヨバレ
ホメラレモセズ
クニモサレズ
サウイフモノニ
ワタシハナリタイ
           宮澤賢治

2.出典

〔雨ニモマケズ〕」(「補遺詩篇 II)

3.建立/除幕日

2016年(平成28年)10月24日 建立

4.所在地

岩手県岩手郡岩手町川口第15地割91-2 岩手町立川口小学校

5.碑について

 岩手郡岩手町は、盛岡市の北側に隣接する町で、東北新幹線では「いわて沼宮内駅」があります。川口地区は、町内で最も盛岡市寄りに位置していて、IGRいわて銀河鉄道の「岩手川口駅」で降りて1kmほど北に歩くと、岩手町立川口小学校のモダンな建物が見えてきます。

 ご覧のように、円形のドーム状の屋根を持った「ふれあいホール」という空間を中心に、「地域に開かれたランドマーク的な建物」として設計されているのだそうです。設計・監理建築を行った(株)シェルターという会社によるこちらの紹介ページを見ていただくと、その内部は広い天窓から注ぐ光に溢れ、木材をふんだんに使った見事な構造になっているのがわかります。

 上写真の学校入口を入ってすぐ右手に、この「雨ニモマケズ」詩碑があります。正確には、「碑」というよりも金属製の「看板」なのですが、冒頭の写真のようにがっしりとしたコンクリート製の土台に設置されていて、とても力強い感じです。
 この碑は2016年に建立されたもので、この小学校出身のOBが、母校の発展を願って寄贈したものだということです。

 ところで、2018年の時点で、「〔雨ニモマケズ〕」の全部または一部を刻んだ碑は、私が確認したかぎりでは全国で17基あるのですが(1基は撤去)、その中で最北に位置するのが、この碑ということになります。

 下の写真のように、碑の脇には美しく整備された「日時計花壇」も設置されています。この川口小学校は、私のような旅行者にとっても、北国の澄み切った空気を堪能できる、本当に素晴らしいランドマークになっていると思います。