「雨ニモマケズ」詩碑
1.テキスト
(雨ニモマケズ)
宮沢賢治
雨ニモマケズ
風ニモマケズ
雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ
丈夫ナカラダヲモチ
慾ハナク
決シテ瞋(イカ)ラズ
イツモシヅカニワラッテヰル
一日ニ玄米四合ト
味噌ト少シノ野菜ヲタベ
アラユルコトヲ
ジブンヲカンジョウニ入レズニ
ヨクミキキシワカリ
ソシテワスレズ
野原ノ松ノ林ノ蔭ノ
小サナ萓(カヤ)ブキノ小屋ニヰテ
東ニ病気ノコドモアレバ
行ッテ看病シテヤリ
西ニツカレタ母アレバ
行ッテソノ稲ノ束ヲ負ヒ
南ニ死ニサウナ人アレバ
行ッテコハガラナクテモイヽトイヒ
北ニケンクヮヤソショウガアレバ
ツマラナイカラヤメロトイヒ
ヒデリノトキハナミダヲナガシ
サムサノナツハオロオロアルキ
ミンナニデクノボートヨバレ
ホメラレモセズ
クニモサレズ
サウイフモノニ
ワタシハナリタイ
2.出典
「〔雨ニモマケズ〕」(「補遺詩篇 II」)
3.建立/除幕日
1997年(平成9年)4月20日 建立/5月3日 除幕
4.所在地
宮城県気仙沼市唐桑町字馬場 若草山
5.碑について
三陸リアス式海岸に並ぶたくさんのギザギザのうち、宮城県のいちばん北の端にある小さな突起が、唐桑半島です。すぐ隣は、もう岩手県です。
この半島の付け根あたり、唐桑町の町役場や消防署などもある地区に、若草山という小高い丘があります。
ひっそりとした昼下がりに、町役場の横を抜けて「若草幼児園」という保育園の裏にまわり、奥へ延びる山道を数分登ると、草のいっぱい茂った広場のようなところに出ました。この広場のまん中には丸木を縦に半分にしたベンチのようなものが置いてあり、ちょうどそのベンチと向かい合うようにして、この「雨ニモマケズ」の碑が据えられています。振り返ると、遠く太平洋も見えます。
何かの折りに、山道を登ってきてこのベンチに座ると、一人静かに賢治と向かい合ってみたり、海を眺めたりできる、そんな趣向の詩碑です。
若草山から太平洋を望む(手前下が詩碑の裏側)