「生徒諸君に寄せる」詩碑

1.テキスト

 宮澤 賢治  生徒諸君に寄せる から
諸君よ 紺いろの地平線が膨らみ高まるときに
諸君はその中に没することを欲するか
じつに諸君はその地平線に於る
あらゆる形の山嶽でなければならぬ

2.出典

生徒諸君に寄せる」より(『〔詩ノート付録〕』)

3.建立/除幕日

1980年(昭和55年)10月18日 建立

4.所在地

岩手県岩手郡雫石町 県立雫石高校正門左側

5.碑について

 詩碑は、雫石高校の正門を入ってすぐ左手の、校章をかたどった植え込みの奥にあります。
 私が最初にここを訪ねた1999年の夏休みには、学校におられた先生に「宮澤賢治の詩碑はどこにあるのですか」と尋ねてもご存じなくて、教頭先生に電話で問い合わせていただいたりしたものでした。
 2003年に再訪すると、門を入ってすぐの所に、「←宮澤賢治詩碑」という立派な標識が立てられていました。

 「生徒諸君に寄せる」からとられたテキストの奥には、この場所から西の方角に見渡せる山々の、ブロンズ製レリーフが取りつけられています。そしてそこには各々の山の名前も書き込まれていて、わかりやすい山岳案内板にもなっているのでした。
 名前が書かれている山は、左(=南)から順に、駒ヶ岳、湯森山、笊森山、丸森、三角山、高倉山、三ッ石山、大松倉山、大倉山、姥倉山、黒倉山、そして右端の大きな盛り上がりが、岩手山と鞍掛山です。

 この詩碑は、雫石高校の元国語教師で、かつ山岳部の顧問でもあった先生が中心になり、1980年に作られたということです。詩碑を見ればわかるとおり、「宮澤賢治と山が好き」な先生だったということでした。


岩手県立雫石高等学校