榊昌子著『宮沢賢治「春と修羅 第二集」の風景』という本を読みました。
著者の榊氏は、以前には『宮沢賢治「初期短篇綴」の世界』を出しておられますが、こんどの本でもじつに颯爽とした文章が印象的です。今回は「春と修羅 第二集」に属する多くの心象スケッチが鑑賞され分析されますが、なかでも、推敲・改稿の過程において別個の心象スケッチが、さまざまに影響しあったり時には融合したりする様子の追跡が見事でした。また、最終章として収められている「作品番号の謎」という考察も、とても刺激的でした。
この論考に誘われて、 「グラフで見る賢治の詩作」の「作品番号増加曲線」を新たに作り直し、グラフの中のいくつかのポイントに注釈を付けてみました。巨大な図になってしまいましたが、細かいところは見やすくなったと思います。どうか一度ご覧ください。
コメント