萩原朔太郎賞を先日受賞された、入沢康夫さんの「遐い宴楽 (とほいうたげ)」という詩集を読んでいるのですが、この中の「燃焼」 という一篇は、それと明示されてはいないものの、 昨年の宮澤清六さんの死がモチーフになっているように思われます。「…… 上り東北新幹線車中で」というエピグラフが、 たったいま花巻で火葬に立ち会ってきたような臨場感を漂わせています。
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たしかに いまや有機質のすべては飛び散り
消え失せ
ここ
素焼の平台の表面には
幾分か形の崩れた 薄茶色の
骨格しか 残つてゐはしない
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