一九二七、四、一、
蕗の根をとったり
薹を截ったり
きみたち二人はたらけば
朝日に翔ける雪融の風や
そらいっぱいの鳥の声
あゝ一万のまた千億の
掘り起された塊りには
いちいち黒い影を添へ
独乙唐檜も三列冴えて
杉の林のなかからは
まっ白な聖重挽馬が
こっそりはたけに下り立って
ふさふさ蹄の毛もひかる
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