一九二六、一〇、一三、
白菜はみな水いろで
強いエンタシスある柱であるが
この盗まれたところでは
たゞまっ白な礎ばかり
この残された推古時代の礎の
一つに一つ
おれは萱穂を飾って置かう
それが当分
自然思想の勝利といふやうに
盗人がこゝを通るたびに
初冬の風になびき日にひかって
それを嘲らうするものである
そして畑がみんな萱穂に代るとしても
つめたい風がそれを吹き
川がひかってすべるかぎり
やっぱりこちらの勝利である
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