一九二六、一〇、一三、
盗まれた白菜の根へ
一つに一つ萓穂を挿して
それが日本主義なのか
水いろをして
エンタシスある柱の列の
その残された推古時代の礎に
一つに一つ萓穂が立てば
盗人ここを通るたび
初冬の風になびき日にひかって
たしかにそれを嘲らうする
さうしてそれが
結局日本思想
東洋主義の勝利なのか
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