一九二六、七、一五、
驟雨(カダチ)はそそぎ
開墾(おこ)した今日の幾坪は
いっさんに土のけむりをあげる
あゝもうもうと立つ湯気のなかに
わたくしはひとり労働を忿(いか)る
……枯れた羊歯の葉、野ばらの根
壊れて散ったその塔を
いまいそがしくめぐる蟻……
杉は驟雨のながれを懸け
またほの白いしぶきをあげる
注:タイトル及び本文[驟雨]の[驟]は、サンズイにツクリ[聚]。
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