凍雨
一九二四、一〇、二四、
つめたい雨も木の葉も降り
みんなはけらを着て急ぐ
……凍らす風によみがへり
かなしい雲にわらふもの……
林は黝く
上根子堰の水もひからず
風のあかりやおぼろな雲に洗はれながら
きやらの樹が塔のかたちにつくられたり
厩舎(うまや)のまへでトマトが青く腐ったりする
……北は鍋倉円満寺
南は太田飯豊笹間……
小さな百の組合を
凍ってめぐる 天涯と
妖しい紅(べに)をくゆらせる
萓の根株の花青素の叢(むら)
……雲にすれすれ一むれの鳥……
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