島祠
一九二四、五、二三、
さまざまの鮮らしい北種の木々が
みなさわやかに息づいて
始原の春の三角島を飾ってゐる
……それは地球の気圏の底の
ひとつの珪化園(シリカガーデン)である……
水はもちろん水銀で
たくさんのかがやかな鉄針は
水平線に並行にうかび
ことにも繁く島のまはりに輻輳すれば
ひとびとの眼もなかば眩んだやうになる
……風のねむりと鷗の声
(一行不明)
まっ青な色丹松もあるし
水際にはあらたな銅で被はれた
巨きな枯れたとどまつもある
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