白樺や楢の群落

   笹といぬがやのかゞやく中を

   おぼろな雪融の流れを溯り

   灰いろをした泥灰岩の稜を噛む

   トロッターやアングロアラヴ

   またまっ白な重挽馬にまで

   にぎやかな光の市場

   その上流の種馬検査所につれて行く

   いそがしい四十雀のむれや

   裸木の青い条影(かげ)

   水ばせうの青じろい花

   ゆるんだ湯気の泥の上には

   ひきがへるがつるんだままで這ひ

   そのせなかには虹ももくもく湧いてゐる

   風は青ぞらで鳴り

   自然にカンデラーブルになった白樺もある

 

 


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