二川こゝにて会すとや
いな、和賀の川水(みづ)雪代ふ
夏油(ゲタウ)のそれの十なれば
その川ここに入ると云へ
げに抹(まつ)すべき大理石(なめいし)の
層にもましていよいよに
わが求むるはまことのことば
雨の中なる真言なり
藍と雪とのうすけぶり
つらなる尾根のかなたより
夏油(ゲタウ)の川は巌截りて
ましろき波をながしきぬ
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