第九葉

   

   仕方もありませんけれど

   これではあんまり

   みぎがくらすぎはしませんか。

       ※

   いつの間にやら

   銅粉をまいてけむってゐた山も見えませんし、

   藍の山肌がゴリゴリの岩にかはり

   川の向ふに黒くそびえて居りました。

       ※

   和賀川のあさぎの波と

   天末のしろびかり

   緑青の東の丘をわれは見たり

       ※

  (赦したまへ。)

   この層はひどい傾斜です。

   おまけに峡谷にはいりましてから

   にはかに雪が増しました。

       ※

   ぎざぎざに

 

 


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