こんや眠らうとしてから

   たうたういままで五時間

   汗と熱のなかでもだえた

   わたくしはひとごとのやうに

   昨夜のわたくしを羨む

   そこはセピヤや黒の木が生え

   水晶の初冬の風のなかを

   石切たちと

   大沢坂峠をのぼってゐた

 

 


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