〔島わにあらき潮騒を〕

   

   島わにあらき潮騒を

   うつつの森のなかに聴き

   羊歯の葉しげき下蔭に

   青き椿の実をとりぬ

   

     南の風のくるほしく

     波のいぶきを吹き来れば

     百千鳥 すだきわぶる

   

   三原の山に燃ゆる火の

   なかばは雲に鎖されぬ

 

 


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