一九二七、八、二〇、
あっちの稲もこっちの稲もみんな倒れた
おれは不安をまぎらすために
こんなに雨に 働いてゐる
夜明けの雨が銀ドロの木を屈めたぐらゐそんなに強くひどかったのだ
西には黒い死が浮きあがる
春には
春にはそれは恋愛自身だったでないか
おれは何といふ臆病だ
夜明けの雨があちこち稲を倒したために(ここで中断)
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