一〇七七

     〔その青じろいそらのしたを〕

                       六、三〇、

   

   その青じろいそらのしたを

   金のあるやつらはみんなそなへが厳しいし

   どこに工面に行かうにもみちがない

    ……ぬるんだ風ともひとつなにか音の渦巻……

   このえん樹の木だ

   甘いかほりといっぱいの蜂

   そのコロイダーレな影のなかを

   月光いろの花がしづかに降る

   遠くでは規則正しく鼻を鳴らす馬

   

 


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