一〇〇八

     〔赤い尾をしたレオポルドめが〕

                       三、一六、

   

   赤い尾をしたレオポルドめが

   また鶏をとらうとして

   田圃の雪をはしって行く

       山は吹雪のうすあかり

   杉の林の足なみに

   麻睡をかけてレオポルドめが

   せわしくひとりくぐって行く

       林はうすい冠毛(コロナ)をかぶる

   ちゞれて酸えた北の雲

   

 


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