一〇〇八

     〔土も堀るだらう〕

                  一九二七、三、一六、

   

   土も堀るだらう

   ときどきは食はないこともあるだらう

   それだからといって

   やっぱりおまへらはおまへらだし

   われわれはわれわれだと

     ……山は吹雪のうす明り……

   なんべんもきき

   いまもきゝ

   やがてはまったくその通り

   まったくさうしかできないと

     ……林は淡い吹雪のコロナ……

   あらゆる失意や病気の底で

   わたくしもまたうなづくことだ

   

 


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