一九二七、五、七、
ロシア帝政派の大将株が
今日は息子と妻を使って陸稲(おかぼ)播きだ
……日が照って風と影……
麦稈帽子をあみだにかぶり
黒いずぼんにわらじをはいて
庇の下のつめたい影を
大股にあるいて鳥を追ふ
……飛んで砕けるきららかな雲……
むすこがしばらく播く手をやめて
ぼんやり楊の梢をながめ
口をあくのを情けながって
どなって石をなげつける
←前の草稿形態へ
次の草稿形態へ→