一〇四八

                  一九二七、四、二六、

   

   うら青い雪菜の列に

   微かな春の霜も下り

   西の残りの月しろの

   やさしく刷いたかほりも這ふ

   雪菜を五十キログラムの注文であるが

   これらの清麗な景物をば

   いかに届けたらいゝか

   しばし腕組み眺める次第

   とは云へすでに

   ひがしは黄ばらのわらひをけぶし

   針を泛べる川からは

   温い梵(アニマ)の呼吸が襲ふ

   

 


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