悍馬
一九二七、四、二四、
廐肥(こえ)つけ馬がはねるはねる
ひばのならんだ坂上で
その黒馬がはねるはねる
たぶんはこんな青びいどろの天上へ
竜にかはってのぼらうとして焦るのだらう
その廐肥(こえ)一つ陽にこぼれ
黝い菅藻の袍を着た
アレキサンダー封介が
押へる押へる押へてゐる
雲ののろしは四方に騰り
萱草芽を出す崖腹に
マグノリアの花と霞の青
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